九州大学/2026年度/前期

4九州大学 2026年 数学 第4問解答・解説

数と式いろいろな式

1問題

九州大学2026年度第4問

【問題】

以下の問いに答えよ。ただし、2, 3, 6\sqrt{2},\ \sqrt{3},\ \sqrt{6} が無理数であることは用いてよい。

(1) 2+3=5+26\sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{5+2\sqrt{6}} を示せ。また、2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} は無理数であることを示せ。

(2) 2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ、係数がすべて有理数の4次方程式を1つ求めよ。また、その4次方程式の解をすべて求めよ。

(3) 2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ、係数がすべて有理数の2次方程式は存在しないことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    (2+3)2=5+26 であり, 2+3>0, 5+26>0 なので 2+3=5+26 が成り立つ。また, 2+3=r (有理数) と仮定すると 6=r2−52 が有理数となり, 6 が無理数であることに矛盾するので 2+3 は無理数である。(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2=5+2\sqrt{6}\ \text{であり},\ \sqrt{2}+\sqrt{3}>0,\ 5+2\sqrt{6}>0\ \text{なので}\ \sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{5+2\sqrt{6}}\ \text{が成り立つ。また},\ \sqrt{2}+\sqrt{3}=r\ (\text{有理数})\ \text{と仮定すると}\ \sqrt{6}=\dfrac{r^2-5}{2}\ \text{が有理数となり},\ \sqrt{6}\ \text{が無理数であることに矛盾するので}\ \sqrt{2}+\sqrt{3}\ \text{は無理数である。}\\[4pt]
  • (2)
    x4−10x2+1=0 (係数がすべて有理数の4次方程式の一例)であり,その解は x=2+3, −2−3, 3−2, 2−3 の4つ(x=±2±3,複号任意)。x^4-10x^2+1=0\ \text{(係数がすべて有理数の4次方程式の一例)であり,その解は}\ x=\sqrt2+\sqrt3,\ -\sqrt2-\sqrt3,\ \sqrt3-\sqrt2,\ \sqrt2-\sqrt3\ \text{の4つ(}x=\pm\sqrt2\pm\sqrt3\text{,複号任意)。}\\[4pt]
  • (3)
    2+3 を解にもつ有理数係数の2次方程式 ax2+bx+c=0 (a≠0) の存在を仮定すると (5a+c)+b2+b3+2a6=0 となり,b=0 でも b≠0 でも矛盾するので,そのような2次方程式は存在しない。\sqrt2+\sqrt3\ \text{を解にもつ有理数係数の2次方程式}\ ax^2+bx+c=0\ (a\ne0)\ \text{の存在を仮定すると}\ (5a+c)+b\sqrt2+b\sqrt3+2a\sqrt6=0\ \text{となり,}b=0\ \text{でも}\ b\ne0\ \text{でも矛盾するので,そのような2次方程式は存在しない。}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

解答

(1)\ 2+3=5+26\sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{5+2\sqrt{6}} を示す。
(2+3)2=2+223+3=5+26 (\sqrt{2}+\sqrt{3})^2=2+2\sqrt{2}\sqrt{3}+3=5+2\sqrt{6}
である。2+3>0\sqrt{2}+\sqrt{3}>0 であり,また 26=24<25=52\sqrt6=\sqrt{24}<\sqrt{25}=5 より 5+26>05+2\sqrt6>0 でもあるから,両辺の正の平方根を考えて
2+3=(2+3)2=5+26 \sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2}=\sqrt{5+2\sqrt{6}}
が成り立つ。

次に,2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} が無理数であることを背理法で示す。2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} が有理数であると仮定し,これを rr とおく。上の計算より r2=5+26r^2=5+2\sqrt{6} であるから
6=r2−52 \sqrt{6}=\frac{r^2-5}{2}
となる。rr は有理数であるから右辺 r2−52\dfrac{r^2-5}{2} も有理数であり,したがって 6\sqrt{6} は有理数となる。これは 6\sqrt{6} が無理数であることに矛盾する。ゆえに,2+3\sqrt{2}+\sqrt{3} は無理数である。

(2)\ x=2+3x=\sqrt{2}+\sqrt{3} とおく。(1)より x2=5+26x^2=5+2\sqrt{6} であるから
x2−5=26 x^2-5=2\sqrt{6}
の両辺を平方すると
(x2−5)2=24,すなわちx4−10x2+25=24 (x^2-5)^2=24,\qquad\text{すなわち}\qquad x^4-10x^2+25=24
より
x4−10x2+1=0 x^4-10x^2+1=0
を得る。これは係数がすべて有理数(実際には整数)の4次方程式であり,x=2+3x=\sqrt{2}+\sqrt{3} を解にもつ。したがって,求める4次方程式の一つは
x4−10x2+1=0 x^4-10x^2+1=0
である。

この方程式のすべての解を求める。y=x2y=x^2 とおくと
y2−10y+1=0 y^2-10y+1=0
となり,解の公式より
y=10±100−42=5±26 y=\frac{10\pm\sqrt{100-4}}{2}=5\pm2\sqrt{6}
を得る。26=24<52\sqrt6=\sqrt{24}<5 であるから 5−26>05-2\sqrt6>0 であり,5+26>05+2\sqrt6>0 でもあるので,どちらの yy の値に対しても x2=yx^2=y を満たす実数 xx が存在する。ここで
5+26=(2+3)2,5−26=(3−2)2 5+2\sqrt{6}=(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2,\qquad 5-2\sqrt{6}=(\sqrt{3}-\sqrt{2})^2
であることに注意する(実際 (3−2)2=3−26+2=5−26(\sqrt3-\sqrt2)^2=3-2\sqrt6+2=5-2\sqrt6)。よって
x2=5+26すなわちx=±(2+3),x2=5−26すなわちx=±(3−2) x^2=5+2\sqrt6 \quad\text{すなわち}\quad x=\pm(\sqrt2+\sqrt3),\qquad x^2=5-2\sqrt6 \quad\text{すなわち}\quad x=\pm(\sqrt3-\sqrt2)
であるから,4次方程式 x4−10x2+1=0x^4-10x^2+1=0 のすべての解は
x=2+3, −2−3, 3−2, 2−3 x=\sqrt2+\sqrt3,\ -\sqrt2-\sqrt3,\ \sqrt3-\sqrt2,\ \sqrt2-\sqrt3
の4個(すなわち x=±2±3x=\pm\sqrt2\pm\sqrt3,複号任意の4通り)であり,これらはすべて相異なる実数である。

(3)\ 2+3\sqrt2+\sqrt3 を解にもち,係数がすべて有理数の2次方程式が存在すると仮定して矛盾を導く。

すなわち,有理数 a,b,ca,b,c(a≠0a\ne0)が存在して
a(2+3)2+b(2+3)+c=0 a(\sqrt2+\sqrt3)^2+b(\sqrt2+\sqrt3)+c=0
が成り立つと仮定する。(1)より (2+3)2=5+26(\sqrt2+\sqrt3)^2=5+2\sqrt6 であるから,これを代入して整理すると
(5a+c)+b2+b3+2a6=0⋯(∗) (5a+c)+b\sqrt2+b\sqrt3+2a\sqrt6=0 \qquad\cdots(\ast)
を得る。

(i)\ b=0b=0 の場合。(∗)(\ast) は (5a+c)+2a6=0(5a+c)+2a\sqrt6=0 となる。a≠0a\ne0 であるから
6=−5a+c2a \sqrt6=-\frac{5a+c}{2a}
となり,右辺は有理数どうしの商だから有理数である。これは 6\sqrt6 が無理数であることに矛盾する。よって b=0b=0 はあり得ない。

(ii)\ b≠0b\ne0 の場合。(∗)(\ast) より
b(2+3)=−(5a+c)−2a6 b(\sqrt2+\sqrt3)=-(5a+c)-2a\sqrt6
なので,両辺を bb で割って
2+3=u+v6,u:=−5a+cb, v:=−2ab \sqrt2+\sqrt3=u+v\sqrt6,\qquad u:=-\frac{5a+c}{b},\ v:=-\frac{2a}{b}
とおける。a≠0, b≠0a\ne0,\,b\ne0 より u,vu,v は有理数であり,v≠0v\ne0 である。

この両辺を平方すると
(2+3)2=u2+2uv6+6v2 (\sqrt2+\sqrt3)^2=u^2+2uv\sqrt6+6v^2
すなわち
5+26=(u2+6v2)+2uv6 5+2\sqrt6=(u^2+6v^2)+2uv\sqrt6
である。もし uv≠1uv\ne1 ならば,これを 6=5−(u2+6v2)2uv−2\sqrt6=\dfrac{5-(u^2+6v^2)}{2uv-2} と変形でき,右辺は有理数どうしの演算だから 6\sqrt6 が有理数となって矛盾する。ゆえに
uv=1 uv=1
でなければならず,このとき残る部分の比較から
u2+6v2=5 u^2+6v^2=5
も成り立つ。

uv=1uv=1 かつ v≠0v\ne0 であるから u≠0u\ne0 で,v=1uv=\dfrac1u である。これを u2+6v2=5u^2+6v^2=5 に代入すると
u2+6u2=5 u^2+\frac{6}{u^2}=5
となり,両辺に u2u^2(>0>0)を掛けて整理すると
u4−5u2+6=0より(u2−2)(u2−3)=0 u^4-5u^2+6=0 \quad\text{より}\quad (u^2-2)(u^2-3)=0
を得る。よって u2=2u^2=2 または u2=3u^2=3 である。しかし uu は有理数であるから u2u^2 も有理数であり,もし u2=2u^2=2 なら ∣u∣=2|u|=\sqrt2 となって 2\sqrt2 が有理数であることになり矛盾し,もし u2=3u^2=3 なら同様に 3\sqrt3 が有理数であることになって矛盾する。したがって,b≠0b\ne0 の場合も矛盾が生じる。

(i),(ii)のいずれの場合も矛盾するから,2+3\sqrt2+\sqrt3 を解にもち,係数がすべて有理数の2次方程式は存在しない。■\blacksquare

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 実数と無理数
  • 対偶・背理法による証明
  • 高次方程式
  • 二次方程式とグラフ

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

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