九州大学/2026年度/前期

2九州大学 2026年 数学 第2問解答・解説

平面上の曲線と複素数平面積分法

1問題

九州大学2026年度第2問

【問題】

点 zz が複素数平面上の線分
z=t+ti(−1+32≦t≦1+32) z=t+ti\qquad\left(\frac{-1+\sqrt{3}}{2}\leqq t\leqq\frac{1+\sqrt{3}}{2}\right)
の上を動くとき、
z2−wz+1=0 z^{2}-wz+1=0
をみたす複素数 ww を表す点が描く軌跡を CC とする。ただし、ii は虚数単位である。以下の問いに答えよ。

(1) 軌跡 CC を複素数平面上に図示せよ。

(2) t=1+32t=\dfrac{1+\sqrt{3}}{2} のときに複素数 ww を表す点を P1P_{1} とし、t=−1+32t=\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2} のときに複素数 ww を表す点を P2P_{2} とする。このとき、軌跡 CC、線分 OP1OP_{1}、線分 OP2OP_{2} で囲まれる領域を虚軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。ただし、OO は複素数平面の原点である。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    C: x2−y2=2 (x>0, −1≦y≦1)(w=x+yi,頂点(2,0),端点P1(3,1), P2(3,−1))C:\ x^{2}-y^{2}=2\ (x>0,\ -1\leqq y\leqq 1)\quad\text{(}w=x+yi\text{,頂点}(\sqrt{2},0)\text{,端点}P_1(\sqrt{3},1),\ P_2(\sqrt{3},-1)\text{)}\\[4pt]
  • (2)
    V=8π3V=\dfrac{8\pi}{3}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

考え方

z2−wz+1=0z^{2}-wz+1=0(z≠0z\neq0)からw=z+1zw=z+\frac{1}{z}とし、z=t(1+i)z=t(1+i)を代入してw=x+yiw=x+yiの実部・虚部をttの式で表す。x2−y2=2x^{2}-y^{2}=2という関係式を導き、ttの符号・単調性からx>0x>0側の枝であることとyyの動く範囲−1≦y≦1-1\leqq y\leqq1を確定して軌跡CCを求める(1)。次にt=t1,t2t=t_{1},t_{2}に対応する点P1,P2P_{1},P_{2}の座標を、t1t2=12t_{1}t_{2}=\frac{1}{2}という関係を用いて厳密に求め、CC・線分OP1OP_{1}・線分OP2OP_{2}で囲まれる領域を虚軸周りに回転させた立体の体積を、外側(曲線)・内側(線分)の円環断面積の定積分(円環法)で計算し、曲線のみ・線分のみの回転体積の差としても検算する(2)。

解答

z=t+tiz=t+ti (−1+32≦t≦1+32)\left(\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2}\leqq t\leqq\dfrac{1+\sqrt{3}}{2}\right) とおく。この範囲で t>0t>0 だから z=t(1+i)≠0z=t(1+i)\ne0 である。
(1) 軌跡 CC の決定
z2−wz+1=0z^{2}-wz+1=0 で z≠0z\neq0 なので
w=z+1z. w=z+\frac{1}{z}.
z=t(1+i)z=t(1+i) より z2=t2(1+i)2=2t2iz^{2}=t^{2}(1+i)^{2}=2t^{2}i,また
1z=1t(1+i)=1−i2t \frac{1}{z}=\frac{1}{t(1+i)}=\frac{1-i}{2t}
(有理化).
よって
w=(t+12t)+(t−12t)i. w=\left(t+\frac{1}{2t}\right)+\left(t-\frac{1}{2t}\right)i.
w=x+yiw=x+yi(x,yx,y は実数)とおくと
x=t+12t,y=t−12t(t>0). x=t+\frac{1}{2t},\qquad y=t-\frac{1}{2t}\qquad(t>0).
このとき
x2−y2=(t+12t+t−12t)(t+12t−t+12t)=2t⋅1t=2, x^{2}-y^{2}=\left(t+\frac{1}{2t}+t-\frac{1}{2t}\right)\left(t+\frac{1}{2t}-t+\frac{1}{2t}\right)=2t\cdot\frac{1}{t}=2,
すなわち点 (x,y)(x,y) は双曲線
x2−y2=2 x^{2}-y^{2}=2
上にある。相加・相乗平均より t>0t>0 で x=t+12t≧212=2>0x=t+\dfrac{1}{2t}\geqq 2\sqrt{\dfrac{1}{2}}=\sqrt{2}>0(等号は t=12t=\dfrac{1}{\sqrt2})だから,(x,y)(x,y) はこの双曲線の x>0x>0 側の枝上にある。
次に tt が動く範囲に対応する yy の範囲を調べる。
dydt=1+12t2>0 \frac{dy}{dt}=1+\frac{1}{2t^{2}}>0
より yy は t>0t>0 で単調増加だから,tt が区間の下端から上端まで動くとき,yy もその像の下端から上端まで連続に単調増加する。
区間の両端を t2=−1+32t_{2}=\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2},t1=1+32t_{1}=\dfrac{1+\sqrt{3}}{2} とおくと
t1t2=(3+1)(3−1)4=3−14=12,t1+t2=3,t1−t2=1. t_{1}t_{2}=\frac{(\sqrt3+1)(\sqrt3-1)}{4}=\frac{3-1}{4}=\frac12,\qquad t_{1}+t_{2}=\sqrt3,\qquad t_{1}-t_{2}=1.
2t1t2=12t_{1}t_{2}=1 より 12t1=t2\dfrac{1}{2t_{1}}=t_{2},12t2=t1\dfrac{1}{2t_{2}}=t_{1} が成り立つから
t=t1: x=t1+12t1=t1+t2=3,y=t1−12t1=t1−t2=1, t=t_{1}:\ x=t_{1}+\frac{1}{2t_{1}}=t_{1}+t_{2}=\sqrt3,\quad y=t_{1}-\frac{1}{2t_{1}}=t_{1}-t_{2}=1,
t=t2: x=t2+12t2=t2+t1=3,y=t2−12t2=t2−t1=−1. t=t_{2}:\ x=t_{2}+\frac{1}{2t_{2}}=t_{2}+t_{1}=\sqrt3,\quad y=t_{2}-\frac{1}{2t_{2}}=t_{2}-t_{1}=-1.
よって t=t1=1+32t=t_{1}=\dfrac{1+\sqrt3}{2} のとき ww の表す点は P1=(3,1)P_{1}=(\sqrt3,1),t=t2=−1+32t=t_{2}=\dfrac{-1+\sqrt3}{2} のとき ww の表す点は P2=(3,−1)P_{2}=(\sqrt3,-1) である。t2<12<t1t_{2}<\dfrac{1}{\sqrt2}<t_{1}(実際 t2≒0.366, 1/2≒0.707, t1≒1.366t_2\fallingdotseq0.366,\ 1/\sqrt2\fallingdotseq0.707,\ t_1\fallingdotseq1.366)だから,yy が −1-1 から 00 を経て 11 まで単調に増えるのに対応して,tt は t2t_2 から 12\dfrac{1}{\sqrt2}(頂点 (2,0)(\sqrt2,0))を経て t1t_1 まで動く。yy は −1≦y≦1-1\leqq y\leqq1 の値をすべて一度ずつとり,各 yy に対して x=t+12tx=t+\dfrac{1}{2t} は x2−y2=2, x>0x^2-y^2=2,\,x>0 を満たす値(x=y2+2x=\sqrt{y^{2}+2})に一致するから,
C: x2−y2=2 (x>0), −1≦y≦1 \boxed{C:\ x^{2}-y^{2}=2\ (x>0),\ -1\leqq y\leqq 1}
である。これは頂点 (2,0)(\sqrt2,0) を通り,P2(3,−1)P_{2}(\sqrt3,-1) から P1(3,1)P_{1}(\sqrt3,1) まで実軸方向にふくらんだ弧(図示:横軸を実軸,縦軸を虚軸とし,この弧と,原点から P1,P2P_1,P_2 への線分を描く)である。
(2) 回転体の体積
軌跡 CC,線分 OP1OP_{1},線分 OP2OP_{2} で囲まれる領域を,虚軸(yy 軸)の周りに 11 回転させる。
−1≦y≦1-1\leqq y\leqq1 を満たす各 yy における断面(xx軸方向の幅)を調べる。
曲線 CC 上の点は x=y2+2x=\sqrt{y^{2}+2}(外側の境界)。
線分 OP1OP_{1}(O(0,0)O(0,0) から P1(3,1)P_{1}(\sqrt3,1))は 0≦y≦10\leqq y\leqq1 で x=3 yx=\sqrt3\,y,線分 OP2OP_{2}(O(0,0)O(0,0) から P2(3,−1)P_{2}(\sqrt3,-1))は −1≦y≦0-1\leqq y\leqq0 で x=−3 yx=-\sqrt3\,y。まとめると内側の境界は x=3 ∣y∣x=\sqrt3\,|y|(−1≦y≦1-1\leqq y\leqq1)。
0≦y≦10\leqq y\leqq1 で 2+y2≧3y2すなわちy2≦12+y^{2}\geqq 3y^{2}\quad\text{すなわち}\quad y^{2}\leqq1 が成り立つ(等号は y=1y=1)ので,全区間で外側境界 x=y2+2x=\sqrt{y^2+2} は内側境界 x=3∣y∣x=\sqrt3|y| 以上であり,領域はつねに x≧0x\geqq0 側にあるから,yy 軸まわりの回転体の体積は円環(外半径・内半径)の断面積を積分して求められる。
V=π∫−11{(y2+2)2−(3 ∣y∣)2} dy=π∫−11(2+y2−3y2) dy=π∫−11(2−2y2) dy. V=\pi\int_{-1}^{1}\Bigl\{\bigl(\sqrt{y^{2}+2}\bigr)^{2}-\bigl(\sqrt3\,|y|\bigr)^{2}\Bigr\}\,dy=\pi\int_{-1}^{1}\bigl(2+y^{2}-3y^{2}\bigr)\,dy=\pi\int_{-1}^{1}\bigl(2-2y^{2}\bigr)\,dy.
被積分関数は偶関数だから
V=2π∫01(2−2y2) dy=2π[ 2y−23y3]01=2π(2−23)=2π⋅43=8π3. V=2\pi\int_{0}^{1}(2-2y^{2})\,dy=2\pi\left[\,2y-\frac{2}{3}y^{3}\right]_{0}^{1}=2\pi\left(2-\frac{2}{3}\right)=2\pi\cdot\frac{4}{3}=\frac{8\pi}{3}.
()
よって求める体積は
V=8π3 \boxed{V=\dfrac{8\pi}{3}}
である。

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • 双曲線
  • 定積分による体積

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

九州大学の数学を、過去 10 年分まとめて解けるものがあったら使いたいですか?

次にやること

同じ年度の次の問題第3問へ進む場合の数と確率・数列

九州大学のほかの年度

似た問題を、ほかの大学で