長崎大学/2024年度/前期

5長崎大学 2024年 数学 第5問解答・解説

ベクトル微分・積分の考え積分法数と式数学と人間の活動(整数)

1問題

長崎大学2024年度第5問
以下はそれぞれ個別の問題である。各問いに答えよ。
(1) p,qp,q を実数とし、互いに異なるベクトル a⃗,b⃗,c⃗\vec{a},\vec{b},\vec{c} を
a→=(1,p),b→=(q,−1),c→=(−1,1) \overrightarrow{a}=(1,p),\quad\overrightarrow{b}=(q,-1),\quad\overrightarrow{c}=(-1,1)
とする。a⃗−b⃗\vec{a}-\vec{b} と c⃗\vec{c} は垂直であり、b⃗−c⃗\vec{b}-\vec{c} と a⃗\vec{a} は平行であるとき、p,qp,q の値をそれぞれ求めよ。
(2) 微分可能な関数 f(x)f(x) が、すべての実数 x,yx,y に対して
f(x+y)=f(x)+f(y) f(x+y)=f(x)+f(y)
を満たしている。このとき、f(0)f(0) の値を求めよ。また、lim⁡h→0f(h)h=2\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{f(h)}{h}=2 のとき、f′(x)f'(x) および f(x)f(x) をそれぞれ求めよ。
(3) ∫−10x2−x41+ex dx=∫01ex(x2−x4)1+ex dx \int_{-1}^{0}\frac{x^{2}-x^{4}}{1+e^{x}}\,dx=\int_{0}^{1}\frac{e^{x}(x^{2}-x^{4})}{1+e^{x}}\,dx
が成り立つことを示し、定積分
∫−11x2−x41+ex dx \int_{-1}^{1}\frac{x^{2}-x^{4}}{1+e^{x}}\,dx
を求めよ。
(4) nn を整数とするとき、n2n^{2} を3で割った余りは2にならないことを、n=3k, n=3k+1, n=3k+2 (k は整数)n=3k,\ n=3k+1,\ n=3k+2\ (k\text{ は整数}) のそれぞれの場合について示せ。
また、l,m,nl,m,n を整数とするとき、l2+m2=n2l^{2}+m^{2}=n^{2} ならば、ll または mm は3の倍数となることを、背理法を用いて証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    p=2, q=−2p=2,\ q=-2
  • (2)
    f(0)=0, f′(x)=2, f(x)=2xf(0)=0,\ f'(x)=2,\ f(x)=2x
  • (3)
    等式が成り立ち、定積分の値は 215\text{等式が成り立ち、定積分の値は }\frac{2}{15}
  • (4)
    n2 を 3 で割った余りは 0 または 1 であり、l または m は 3 の倍数であるn^2\text{ を }3\text{ で割った余りは }0\text{ または }1\text{ であり、}l\text{ または }m\text{ は }3\text{ の倍数である}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

考え方

各小問について、ベクトルの成分条件、加法性と微分係数の定義、定積分の置換と区間分割、3で割った余りによる場合分けを順に用いた。

解答

(1) ベクトルの成分から、垂直の条件は(a⃗−b⃗)⋅c⃗=(1−q,p+1)⋅(−1,1)=−(1−q)+(p+1)=p+q=0 (\vec a-\vec b)\cdot\vec c=(1-q,p+1)\cdot(-1,1)=-(1-q)+(p+1)=p+q=0
である。したがって p=−qp=-q。また、b⃗−c⃗=(q+1,−2)\vec b-\vec c=(q+1,-2) が a⃗=(1,p)\vec a=(1,p) と平行なので、ある実数 tt を用いて (q+1,−2)=t(1,p)(q+1,-2)=t(1,p) と表せる。第1成分から t=q+1t=q+1 であり、第2成分から p(q+1)+2=0p(q+1)+2=0。ここに p=−qp=-q を代入すると q2+q−2=0q^2+q-2=0、すなわち (q−1)(q+2)=0(q-1)(q+2)=0 である。q=1q=1 のとき p=−1p=-1 となり、a⃗=b⃗\vec a=\vec b で互いに異なるという条件に反する。q=−2q=-2 のとき p=2p=2 であり、a⃗=(1,2), b⃗=(−2,−1), c⃗=(−1,1)\vec a=(1,2),\ \vec b=(-2,-1),\ \vec c=(-1,1) は互いに異なり、二つの条件を満たす。よって p=2, q=−2p=2,\ q=-2。

(2) x=y=0x=y=0 とすると f(0)=f(0)+f(0)f(0)=f(0)+f(0) だから f(0)=0f(0)=0。加法性から f(x+h)−f(x)=f(h)f(x+h)-f(x)=f(h) であるため、f′(x)=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)h=lim⁡h→0f(h)h=2. f'(x)=\lim_{h\to0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{h\to0}\frac{f(h)}h=2.
よって f(x)−2xf(x)-2x の導関数は常に 00 であるから、導関数の符号と増減の関係より f(x)−2xf(x)-2x は定数である。f(0)=0f(0)=0 を用いるとその定数は 00 なので、f(x)=2xf(x)=2x。

(3) t=−xt=-x と置換すると、∫−10x2−x41+ex dx=∫01t2−t41+e−t dt=∫01et(t2−t4)1+et dt, \begin{aligned} \int_{-1}^{0}\frac{x^{2}-x^{4}}{1+e^{x}}\,dx &=\int_{0}^{1}\frac{t^{2}-t^{4}}{1+e^{-t}}\,dt \\ &=\int_{0}^{1}\frac{e^{t}(t^{2}-t^{4})}{1+e^{t}}\,dt, \end{aligned}
となり、示すべき等式が得られる。さらに、負の区間の積分にこの等式を用いて正の区間の積分と合わせると、∫−11x2−x41+ex dx=∫01(x2−x4)(ex1+ex+11+ex)dx=∫01(x2−x4) dx=[x33−x55]01=215. \begin{aligned} \int_{-1}^{1}\frac{x^{2}-x^{4}}{1+e^{x}}\,dx &=\int_{0}^{1}(x^{2}-x^{4})\left(\frac{e^{x}}{1+e^{x}}+\frac{1}{1+e^{x}}\right)dx \\ &=\int_{0}^{1}(x^{2}-x^{4})\,dx =\left[\frac{x^{3}}{3}-\frac{x^{5}}{5}\right]_{0}^{1}=\frac{2}{15}. \end{aligned}

(4) n=3kn=3k のとき n2=3(3k2)n^{2}=3(3k^{2}) で余りは 00。n=3k+1n=3k+1 のとき n2=3(3k2+2k)+1n^{2}=3(3k^{2}+2k)+1 で余りは 11。n=3k+2n=3k+2 のとき n2=3(3k2+4k+1)+1n^{2}=3(3k^{2}+4k+1)+1 で余りは 11。したがって、どの場合も余りは 22 にならない。
次に、背理法で示す。l,ml,m のどちらも3の倍数でないと仮定する。整数の余りによる分類から、l,ml,m はそれぞれ 3a+13a+1 または 3a+23a+2 と書けるので、前半で示したことから l2,m2l^{2},m^{2} はともに3で割ると余りが1である。よって l2+m2l^{2}+m^{2} は3で割ると余りが2となる。一方、l2+m2=n2l^{2}+m^{2}=n^{2} であるから、n2n^{2} も余り2となるが、これは前半の結果に反する。ゆえに、l,ml,m の少なくとも一方は3の倍数である。

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • ベクトルの成分表示
  • ベクトルの内積
  • ベクトルによる図形の考察
  • 微分係数と導関数
  • 導関数と増減
  • 定積分
  • 不定積分・定積分の性質
  • 置換積分法
  • 対偶・背理法による証明
  • 約数・倍数

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

長崎大学の数学を、過去 10 年分まとめて解けるものがあったら使いたいですか?

次にやること

同じ年度の次の問題第7問へ進む図形と方程式・微分・積分の考え・積分法

長崎大学のほかの年度

似た問題を、ほかの大学で