九州大学/2022年度/前期
2九州大学 2022年 数学 第2問解答・解説
いろいろな式極限数列
1問題
九州大学2022年度第2問
(配点50点。)
nを3以上の自然数、
α,βを相異なる実数とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) 次をみたす実数
A,B,Cと整式
Q(x)が存在することを示せ。
xn=(x−α)(x−β)2Q(x)+A(x−α)(x−β)+B(x−α)+C(2) (1)の
A,B,Cを
n,α,βを用いて表せ。
(3) (2)の
Aについて、
nと
αを固定して、
βを
αに近づけたときの極限
β→αlimAを求めよ。
まずは自分で解いてみましょう。解けたら、または詰まったら「解答」で確かめられます。
2解答
解答を見る途中式つきの解答
解答
準備
α=β より
D(x):=(x−α)(x−β)2 は最高次係数
1 の
3 次式である。
(1) の証明
n≧3 であるから、整式の除法(多項式の割り算)により、
xn を
D(x) で割ったときの商
Q(x)(
n−3 次式)と余り
R(x)(
R(x) の次数は
2 以下(
R(x)=0 の場合も含む))がただ一組存在して、恒等式
xn=D(x)Q(x)+R(x)が成り立つ。
R(x) は高々
2 次であるから、実数
p,q,r を用いて
R(x)=px2+qx+r と書ける。
ここで
A(x−α)(x−β)+B(x−α)+C=Ax2+[B−A(α+β)]x+[C−Bα+Aαβ]であるから、これが
R(x)=px2+qx+r と(
x についての恒等式として)一致するためには、
x2,x1,x0 の係数を比較して
A=p,B=q+p(α+β),C=r+qα+pα2とすればよい。
p,q,r はすでに実数として存在しているので、この
A,B,C も実数として(それぞれ一意に)定まる。したがって
xn=(x−α)(x−β)2Q(x)+A(x−α)(x−β)+B(x−α)+Cをみたす実数
A,B,C と整式
Q(x) が存在する。
(2) の解答
(1) により、ある実数
A,B,C と整式
Q(x) に対して、すべての実数
x で
xn=(x−α)(x−β)2Q(x)+A(x−α)(x−β)+B(x−α)+Cが成り立つ。この
A,B,C を具体的に求める。
[Cを求める]
(∗) に
x=α を代入すると、右辺の
(x−α) を含む項はすべて消えて
αn=C,すなわちC=αn.[B, Aを求める]
(∗) において
x=β+t(
t は任意の実数)とおく。
(∗) はすべての実数
x で成り立つ恒等式であるから、これは
t についての恒等式とみなせる。
x−β=t, x−α=(β−α)+t であるから、
(∗) は
(β+t)n=t2[(β−α+t)Q(β+t)]+A(β−α+t)t+B[(β−α)+t]+Cとなる。右辺第
1 項は
Q(β+t) が
t の整式であることから、
t2×(tの整式) の形、すなわち
t0 と
t1 の係数はともに
0 である。残りの項を整理すると、右辺の
t0,t1 の係数はそれぞれ
t0: B(β−α)+C,t1: A(β−α)+Bである。一方、二項定理により左辺は
(β+t)n=k=0∑nnCkβn−ktk=βn+nβn−1t+(t2以上の項)であるから、両辺の
t についての整式としての係数を比較して
βn=B(β−α)+C⋯(I),nβn−1=A(β−α)+B⋯(II)を得る((I) は
x=β を直接代入した場合と同じ式である)。
(I) と
C=αn より、
β=α に注意して
B=β−αβn−C=β−αβn−αn.ここで、恒等式
βn−αn=(β−α)j=0∑n−1αjβn−1−jが成り立つことは、右辺を展開すると
(β−α)j=0∑n−1αjβn−1−j=j=0∑n−1(αjβn−j−αj+1βn−1−j)の各項が隣り合う項と打ち消し合うことから、和が
βn−αn に一致して確かめられる。したがって
B=j=0∑n−1αjβn−1−j=βn−1+αβn−2+⋯+αn−1.次に (II) より
A=β−αnβn−1−B.nβn−1=j=0∑n−1βn−1(同じ項を
n 個加えたもの)であるから、
nβn−1−B=j=0∑n−1(βn−1−αjβn−1−j)=j=0∑n−1βn−1−j(βj−αj).j=0 の項は
0 であり、
1≦j≦n−1 の項には、先ほどの項の相殺と同様の恒等式
βj−αj=(β−α)∑i=0j−1αiβj−1−i を用いると、
nβn−1−B=(β−α)j=1∑n−1i=0∑j−1αiβn−2−i.両辺を
β−α で割って
A=j=1∑n−1i=0∑j−1αiβn−2−i.この二重和で、
i を
0≦i≦n−2 に固定すると、
j は
i+1≦j≦n−1 の
n−1−i 個の値をとり、和の中身
αiβn−2−i は
j に無関係だから、和の順序を入れ替えて
A=i=0∑n−2(n−1−i)αiβn−2−i.k=n−2−i とおき直すと
A=k=0∑n−2(k+1)αn−2−kβk=αn−2+2αn−3β+3αn−4β2+⋯+(n−1)βn−2.以上より
C=αn,B=j=0∑n−1αjβn−1−j=β−αβn−αn,A=k=0∑n−2(k+1)αn−2−kβk=(β−α)2nβn−1(β−α)−(βn−αn)((
D(x)=(x−1)(x−2)2=x3−5x2+8x−4)、(
R(x)=5(x−1)(x−2)+7(x−1)+1=5x2−8x+4) だから (
x3=D(x)+R(x))。この場合の商は (
Q(x)=1)、余りは (R(x)) である。)
(3) の解答
n,α を固定するとき、(2) で得た
A=k=0∑n−2(k+1)αn−2−kβkは
β の整式(多項式)であり、
β の整式は実数全体で連続な関数である。したがって
β→α のときの極限値は、この整式に
β=α を代入した値に等しい:
β→αlimA=k=0∑n−2(k+1)αn−2−kαk=αn−2k=0∑n−2(k+1).ここで
k=0∑n−2(k+1)=1+2+⋯+(n−1)=2(n−1)n(初項
1、公差
1、項数
n−1 の等差数列の和)であるから、
β→αlimA=2n(n−1)αn−2 を得る。
読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。
この問題で使う考え方
- 多項式の除法
- 二項定理
- 階差・和の利用
- 総和記号と数列の和
- 等差数列の一般項と和
- 関数の極限
答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。
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