高知大学/2023年度/前期

1高知大学 2023年 数学 第1問解答・解説

微分・積分の考え微分法

1問題

高知大学2023年度第1問
nn を正の偶数とし、f(x)=1+∑k=1nxkk!\displaystyle f(x)=1+\sum_{k=1}^{n}\dfrac{x^{k}}{k!} とする。さらに、g(x)=f(x)e−xg(x)=f(x)e^{-x} とする。このとき、次の問いに答えよ。(100点)
(1) 導関数 g′(x)g'(x) を求めよ。
(2) x<0x<0 のとき、g(x)>1g(x)>1 であることを示せ。
(3) 方程式 f(x)=0f(x)=0 は実数解をもたないことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら、または詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2解答

解答を見る途中式つきの解答

解答

nn は正の偶数であり,f(x)=1+∑k=1nxkk!=∑k=0nxkk!f(x)=1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{x^{k}}{k!}=\sum_{k=0}^{n}\frac{x^{k}}{k!}(1=x0/0!1=x^{0}/0! とみて k=0k=0 の項を含めた)である。g(x)=f(x)e−xg(x)=f(x)e^{-x} とする。

(1) 項別に微分するとf′(x)=∑k=1nk xk−1k!=∑k=1nxk−1(k−1)!=∑j=0n−1xjj!.f'(x)=\sum_{k=1}^{n}\frac{k\,x^{k-1}}{k!}=\sum_{k=1}^{n}\frac{x^{k-1}}{(k-1)!}=\sum_{j=0}^{n-1}\frac{x^{j}}{j!}.したがってf(x)−f′(x)=∑k=0nxkk!−∑j=0n−1xjj!=xnn!f(x)-f'(x)=\sum_{k=0}^{n}\frac{x^{k}}{k!}-\sum_{j=0}^{n-1}\frac{x^{j}}{j!}=\frac{x^{n}}{n!}(k=0,1,…,n−1k=0,1,\dots,n-1 の項は互いに打ち消し合い,k=nk=n の項だけが残る)。よって f′(x)−f(x)=−xnn!f'(x)-f(x)=-\dfrac{x^{n}}{n!} である。積の微分法によりg′(x)=f′(x)e−x+f(x)⋅(−e−x)=(f′(x)−f(x))e−x=−xnn! e−x.g'(x)=f'(x)e^{-x}+f(x)\cdot(-e^{-x})=\bigl(f'(x)-f(x)\bigr)e^{-x}=-\frac{x^{n}}{n!}\,e^{-x}.

(2) nn は偶数だから,すべての実数 tt に対して tn≧0t^{n}\geqq 0 であり,等号は t=0t=0 のときに限る。また e−t>0e^{-t}>0 は常に成り立つ。ゆえにg′(t)=−tnn!e−t≦0(すべての実数 t で),g′(t)<0 (t≠0).g'(t)=-\frac{t^{n}}{n!}e^{-t}\leqq 0\quad(\text{すべての実数 }t\text{ で}),\qquad g'(t)<0\ (t\neq 0).いま x<0x<0 を任意に固定する。x<t<0x<t<0 を満たす任意の tt は t≠0t\neq 0 を満たすから,その区間で g′(t)<0g'(t)<0 である。よって g(t)g(t) はx≦t≦0x\leqq t\leqq0 の範囲で(微分係数が負であることによる単調性の判定から)減少するので,g(x)>g(0)g(x)>g(0)が成り立つ。ここでg(0)=f(0)e0=f(0)=1+∑k=1n0kk!=1+0=1g(0)=f(0)e^{0}=f(0)=1+\sum_{k=1}^{n}\frac{0^{k}}{k!}=1+0=1(n≧1n\geqq 1 より k=1,…,nk=1,\dots,n の各項は 0k=00^{k}=0)である。したがって x<0x<0 のときg(x)>g(0)=1,g(x)>g(0)=1,すなわち g(x)>1g(x)>1 が示された。

(3) (i) x<0x<0 の場合。 (2) より g(x)=f(x)e−x>1g(x)=f(x)e^{-x}>1 である。e−x>0e^{-x}>0 であるから両辺に ex (>0)e^{x}\,(>0) を掛けてf(x)>ex.f(x)>e^{x}.指数関数の性質より,すべての実数 xx に対して ex>0e^{x}>0 であるから,x<0x<0 のときf(x)>ex>0,すなわちf(x)>0.f(x)>e^{x}>0,\qquad\text{すなわち}\quad f(x)>0.(ii) x≧0x\geqq 0 の場合。 x≧0x\geqq 0 のとき,各 k=1,2,…,nk=1,2,\dots,n について xkk!≧0\dfrac{x^{k}}{k!}\geqq 0 であるからf(x)=1+∑k=1nxkk!≧1>0.f(x)=1+\sum_{k=1}^{n}\frac{x^{k}}{k!}\geqq 1>0.(i),(ii) より,すべての実数 xx に対して f(x)>0f(x)>0 が成り立つ。ゆえに方程式 f(x)=0f(x)=0 を満たす実数 xx は存在せず,f(x)=0f(x)=0 は実数解をもたない。(証明終)

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 多項式の導関数
  • 導関数と増減
  • 積の微分
  • 合成関数の微分
  • 指数・対数関数の微分

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

高知大学の数学を、過去 10 年分まとめて解けるものがあったら使いたいですか?

次にやること

同じ年度の次の問題第2問へ進む数と式・数学と人間の活動(整数)

高知大学のほかの年度

似た問題を、ほかの大学で