慶應義塾大学/2022年度/前期

II慶應義塾大学 2022年 数学 第II問解答・解説

場合の数と確率極限

1問題

慶應義塾大学2022年度第II問
以下の文章の空欄に適切な式を入れて文章を完成させなさい。ただし、(い)\boxed{\text{(い)}}〜(か)\boxed{\text{(か)}}に記入する式は文字 nn についての分数式で、可能な限り約分され、また分母と分子は可能な限り実数の範囲で因数分解されたものとする。
2n2n 個の玉があり、そのうち kk 個は赤、他は白とする。ただし n>k>1n>k>1 である。また袋 A,BA,B が用意されているとする。
(1) 2n2n 個の玉から nn 個を無作為に選んで袋 AA に入れ、残りを袋 BB に入れる。袋 AA に ii 個 (0≦i≦k)(0\leqq i\leqq k) の赤玉が入る確率を p(n,k,i)p(n,k,i) とおく。kk と ii を固定して n→∞n\to\infty とするときの p(n,k,i)p(n,k,i) の極限値を kk と ii の式で表すと lim⁡n→∞p(n,k,i)=(あ)\displaystyle \lim_{n\to\infty}p(n,k,i)=\boxed{\text{(あ)}} となる。また n>3n>3 のとき p(n,3,1)=(い)p(n,3,1)=\boxed{\text{(い)}} である。
以下 n>k=3n>k=3 として、袋 AA に赤玉が1個、袋 BB に赤玉が2個入っている状態を状態 SS と呼ぶ。また袋 A,BA,B のそれぞれから同時に玉を1個ずつ無作為に取り出して、玉が入っていた袋と逆の袋に入れる操作を操作 TT と呼ぶ。
(2) 状態 SS から始めて操作 TT を1回行なった後で袋 AA から玉を1個無作為に取り出すとき、取り出した玉が赤玉である確率は (う)\boxed{\text{(う)}} である。また、取り出した玉が赤玉だったとき、操作 TT 終了後に袋 AA に赤玉が2個入っていた条件つき確率は (え)\boxed{\text{(え)}} である。
(3) 状態 SS から始めて操作 TT を3回繰り返し行なった後に、袋 AA に赤玉が3個入っている確率は (お)\boxed{\text{(お)}} である。
(4) 状態 SS から始めて袋 A,BA,B のそれぞれから同時に玉を3個ずつ無作為に取り出して、それらを玉が入っていた袋と逆の袋に入れた後に、袋 AA に赤玉が3個入っている確率は (か)\boxed{\text{(か)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    (あ)=kCi2k,(い)=3n4(2n−1)(\text{あ})=\frac{{}_{k}\mathrm{C}_{i}}{2^k},\qquad (\text{い})=\frac{3n}{4(2n-1)}
  • (2)
    (う)=n+1n2,(え)=4(n−1)n(n+1)(\text{う})=\frac{n+1}{n^2},\qquad (\text{え})=\frac{4(n-1)}{n(n+1)}
  • (3)
    (お)=2(n−1)(n−2)(3n2−9n+8)n6(\text{お})=\frac{2(n-1)(n-2)(3n^2-9n+8)}{n^6}
  • (4)
    (か)=6(n−3)n2(n−1).(\text{か})=\frac{6(n-3)}{n^2(n-1)}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

考え方

赤玉の選び方を組合せで数え、操作後の袋Aの赤玉数を場合分けして確率を求める。

解答

(1) 袋Aに入る赤玉がちょうどii個となるには、kk個の赤玉のうちii個をAに入れ、残りのk−ik-i個をBに入れればよい。したがって
p(n,k,i)=kCi2n−kCn−i2nCn=kCin(n−1)⋯(n−i+1) n(n−1)⋯(n−k+i+1)(2n)(2n−1)⋯(2n−k+1). p(n,k,i)={}_{k}\mathrm{C}_{i}\frac{{}_{2n-k}\mathrm{C}_{n-i}}{{}_{2n}\mathrm{C}_{n}} ={}_{k}\mathrm{C}_{i}\frac{n(n-1)\cdots(n-i+1)\,n(n-1)\cdots(n-k+i+1)}{(2n)(2n-1)\cdots(2n-k+1)}.
積の因子数は分子が合計kk個、分母がkk個であるから、k,ik,iを固定してn→∞n\to\inftyとすると
lim⁡n→∞p(n,k,i)=kCi12k. \lim_{n\to\infty}p(n,k,i)={}_{k}\mathrm{C}_{i}\frac{1}{2^k}.
また、k=3,i=1k=3,i=1を代入して
p(n,3,1)=3n⋅n(n−1)(2n)(2n−1)(2n−2)=3n4(2n−1). p(n,3,1)=3\frac{n\cdot n(n-1)}{(2n)(2n-1)(2n-2)}=\frac{3n}{4(2n-1)}.

(2) 操作TTでAから取り出す赤玉の有無をXX、Bから取り出す赤玉の有無をYYで表すと、操作後にAにある赤玉数はR=1−X+YR=1-X+Yである。X=1X=1となる確率は1/n1/n、Y=1Y=1となる確率は2/n2/nで、両袋からの抽出は独立である。よって
P(R=2)=n−1n2n=2(n−1)n2,P(R=1)=(n−1)(n−2)+2n2=n2−3n+4n2. P(R=2)=\frac{n-1}{n}\frac{2}{n}=\frac{2(n-1)}{n^2},\qquad P(R=1)=\frac{(n-1)(n-2)+2}{n^2}=\frac{n^2-3n+4}{n^2}.
操作後にAからさらに1個取り出して赤となる確率は、R=2R=2なら2/n2/n、R=1R=1なら1/n1/nなので
P(赤)=2nP(R=2)+1nP(R=1)=4(n−1)+n2−3n+4n3=n+1n2. P(\text{赤})=\frac{2}{n}P(R=2)+\frac{1}{n}P(R=1) =\frac{4(n-1)+n^2-3n+4}{n^3}=\frac{n+1}{n^2}.
また、取り出した玉が赤であり、かつ操作後のAの赤玉数が2である確率は
P(R=2)2n=4(n−1)n3. P(R=2)\frac{2}{n}=\frac{4(n-1)}{n^3}.
これを上の赤玉を取り出す確率で割れば、条件付き確率は
4(n−1)/n3(n+1)/n2=4(n−1)n(n+1). \frac{4(n-1)/n^3}{(n+1)/n^2}=\frac{4(n-1)}{n(n+1)}.

(3) 操作後にAにある赤玉数を状態rrとする。赤玉数が1の状態から2へ増える確率、赤玉数が2の状態から3へ増える確率は、それぞれ
u=n−1n2n=2(n−1)n2,v=n−2n1n=n−2n2. u=\frac{n-1}{n}\frac{2}{n}=\frac{2(n-1)}{n^2},\qquad v=\frac{n-2}{n}\frac{1}{n}=\frac{n-2}{n^2}.
状態1または2にとどまる確率は、両袋から同色を引く場合を数えて
s=(n−1)(n−2)+2n2=n2−3n+4n2. s=\frac{(n-1)(n-2)+2}{n^2}=\frac{n^2-3n+4}{n^2}.
状態3にとどまる確率は、Aから白玉を引く確率(n−3)/n(n-3)/nである。3回後に状態3となる道筋は
1→2→3→3,1→2→2→3,1→1→2→3 1\to2\to3\to3,\qquad 1\to2\to2\to3,\qquad 1\to1\to2\to3
の3通りである。したがって求める確率は
uv(n−3n+2s)=2(n−1)(n−2)n4(n−3n+2(n2−3n+4)n2)=2(n−1)(n−2)(3n2−9n+8)n6. uv\left(\frac{n-3}{n}+2s\right) =\frac{2(n-1)(n-2)}{n^4}\left(\frac{n-3}{n}+\frac{2(n^2-3n+4)}{n^2}\right) =\frac{2(n-1)(n-2)(3n^2-9n+8)}{n^6}.

(4) Aから赤玉を0個、Bから赤玉を2個取り出した場合に限り、操作後にAの赤玉数が3個となる。これらは別々の袋からの抽出なので、その確率は
n−1C3nC3⋅2C2n−2C1nC3=n−3n⋅6n(n−1)=6(n−3)n2(n−1). \frac{{}_{n-1}\mathrm{C}_{3}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}\cdot\frac{{}_{2}\mathrm{C}_{2}{}_{n-2}\mathrm{C}_{1}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}} =\frac{n-3}{n}\cdot\frac{6}{n(n-1)} =\frac{6(n-3)}{n^2(n-1)}.

検算として、(3)の各経路の増加確率は状態1でuu、状態2でvvであり、状態3でとどまる確率は(n−3)/n(n-3)/nとなる。各因子は00以上11以下で、(4)も「Aで全白を選ぶ」確率と「Bで赤2個と白1個を選ぶ」確率の積になっている。

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率
  • 数列の極限

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

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