高知大学/2022年度/前期

4高知大学 2022年 数学 第4問解答・解説

指数関数・対数関数微分・積分の考え極限数列

1問題

高知大学2022年度第4問
次の問いに答えよ。(100点)

(1) 正の実数 xx に対して、ex>1+xe^x>1+x が成り立つことを示せ。

(2) n≧1n\geqq1 に対して、∑k=1n1k>log⁡(n+1)\displaystyle \sum_{k=1}^{n}\dfrac{1}{k}>\log(n+1) が成り立つことを示せ。

(3) k≧2k\geqq2 に対して、1k2<1(k−1)k\dfrac{1}{k^2}<\dfrac{1}{(k-1)k} が成り立つことを用いて、n≧2n\geqq2 に対して
∑k=1n1k2<2−1n \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^2}<2-\frac{1}{n}
が成り立つことを示せ。

(4) ∑k=1∞1k2\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k^2} は正の無限大には発散しないことを示せ。また、∑k=1∞1k\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k} は正の無限大に発散することを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら、または詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2解答

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解答

結論
(1) f(x)=ex−1−x (x≧0)f(x)=e^{x}-1-x\ (x\geqq 0)とおくとf(0)=0, f′(x)=ex−1>0 (x>0)f(0)=0,\ f'(x)=e^{x}-1>0\ (x>0)よりffはx≧0x\geqq 0で単調増加。
よってx>0x>0のときf(x)>f(0)=0f(x)>f(0)=0、すなわちex>1+xe^{x}>1+x。
(2) ∑k=1n1k>log⁡(n+1)(n≧1)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k}>\log(n+1)\quad(n\geqq 1)。
(3) ∑k=1n1k2<2−1n(n≧2)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^{2}}<2-\frac{1}{n}\quad(n\geqq 2)。
(4) ∑k=1∞1k2\displaystyle\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k^{2}}は正の無限大には発散しない(有界、実際は収束する)。 ∑k=1∞1k\displaystyle\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k}は正の無限大に発散する。
(1) x>0x>0を満たす実数xxに対してex>1+xe^{x}>1+xが成り立つことを示す。

x≧0x\geqq 0 の範囲で
f(x)=ex−1−x f(x)=e^{x}-1-x
と定める。ff は微分可能で
f′(x)=ex−1. f'(x)=e^{x}-1.
指数関数 y=exy=e^{x} は単調増加であり e0=1e^{0}=1 であるから,x>0x>0 のとき ex>e0=1e^{x}>e^{0}=1,よって
f′(x)=ex−1>0(x>0). f'(x)=e^{x}-1>0\qquad(x>0).
したがって ff はx≧0x\geqq0 の範囲で単調増加である。f(0)=e0−1−0=0f(0)=e^{0}-1-0=0 であるから,x>0x>0 のとき
f(x)>f(0)=0, f(x)>f(0)=0,
すなわち
ex>1+x(x>0) e^{x}>1+x\qquad(x>0)
が成り立つ。■\blacksquare

(2) n≧1n\geqq 1 に対して ∑k=1n1k>log⁡(n+1)\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k}>\log(n+1) が成り立つことを示す。

各自然数 kk に対して x=1k>0x=\dfrac{1}{k}>0 は正の実数だから,(1) の不等式より
e1/k>1+1k(k=1,2,…,n). e^{1/k}>1+\frac{1}{k}\qquad(k=1,2,\dots,n).
両辺はともに正であり,自然対数 log⁡\log は単調増加関数であるから,この不等式の両辺の対数をとっても大小関係は保たれる。よって
1k=log⁡ ⁣(e1/k)>log⁡ ⁣(1+1k)=log⁡ ⁣(k+1k)=log⁡(k+1)−log⁡k. \frac{1}{k}=\log\!\left(e^{1/k}\right)>\log\!\left(1+\frac{1}{k}\right)=\log\!\left(\frac{k+1}{k}\right)=\log(k+1)-\log k.
この不等式を k=1,2,…,nk=1,2,\dots,n について辺々加えると,右辺は
∑k=1n(log⁡(k+1)−log⁡k)=(log⁡2−log⁡1)+(log⁡3−log⁡2)+⋯+(log⁡(n+1)−log⁡n)=log⁡(n+1)−log⁡1=log⁡(n+1) \sum_{k=1}^{n}\bigl(\log(k+1)-\log k\bigr) =\bigl(\log2-\log1\bigr)+\bigl(\log3-\log2\bigr)+\cdots+\bigl(\log(n+1)-\log n\bigr) =\log(n+1)-\log1=\log(n+1)
と、隣り合う項が打ち消し合って簡単になる。したがって
∑k=1n1k>log⁡(n+1)(n≧1) \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k}>\log(n+1)\qquad(n\geqq1)
が成り立つ。■\blacksquare

(3) k≧2k\geqq2 のとき成り立つ
1k2<1(k−1)k \frac{1}{k^{2}}<\frac{1}{(k-1)k}
を用いて,n≧2n\geqq2 のとき ∑k=1n1k2<2−1n\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^{2}}<2-\frac{1}{n} を示す。

部分分数分解により
1(k−1)k=1k−1−1k(k≧2) \frac{1}{(k-1)k}=\frac{1}{k-1}-\frac{1}{k}\qquad(k\geqq2)
であるから,与えられた不等式は
1k2<1k−1−1k(k≧2) \frac{1}{k^{2}}<\frac{1}{k-1}-\frac{1}{k}\qquad(k\geqq2)
と書き直せる。これを k=2,3,…,nk=2,3,\dots,n について辺々加えると,右辺は隣り合う項が打ち消し合って
∑k=2n1k2<∑k=2n(1k−1−1k)=(11−12)+(12−13)+⋯+(1n−1−1n)=1−1n. \sum_{k=2}^{n}\frac{1}{k^{2}}<\sum_{k=2}^{n}\left(\frac{1}{k-1}-\frac{1}{k}\right) =\left(\frac11-\frac12\right)+\left(\frac12-\frac13\right)+\cdots+\left(\frac{1}{n-1}-\frac1n\right) =1-\frac1n.
両辺に k=1k=1 の項 112=1\dfrac{1}{1^{2}}=1 を加えると
∑k=1n1k2=1+∑k=2n1k2<1+(1−1n)=2−1n \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^{2}}=1+\sum_{k=2}^{n}\frac{1}{k^{2}}<1+\left(1-\frac1n\right)=2-\frac1n
となり,題意の不等式
∑k=1n1k2<2−1n(n≧2) \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^{2}}<2-\frac1n\qquad(n\geqq2)
が成り立つ(k=2,…,nk=2,\dots,n の各項で不等号が真に成り立つので,n≧2n\geqq2 すなわち和に少なくとも1項あるとき,全体でも真の不等号が成り立つ)。■\blacksquare

(4)
∑k=1∞1k2 は正の無限大には発散しないこと,および∑k=1∞1k は正の無限大に発散すること \sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k^{2}}\ \text{は正の無限大には発散しないこと,および}\quad \sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k}\ \text{は正の無限大に発散すること}
を示す。以下,Sn=∑k=1n1k2\displaystyle S_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k^{2}},Tn=∑k=1n1k\displaystyle T_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k} とおく(いずれも正の項だけの和だから,nn について単調増加である)。

∑k=1∞1k2\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k^{2}} が正の無限大に発散しないこと。

(3) より n≧2n\geqq2 のとき
Sn<2−1n<2. S_n<2-\frac1n<2.
また n=1n=1 のときは S1=1<2S_1=1<2 である。よってすべての自然数 nn に対して
Sn<2 S_n<2
が成り立つ。もし {Sn}\{S_n\} が正の無限大に発散するとすれば,定義により「どんな正の数 MM に対しても,ある番号から先で Sn>MS_n>M」となるはずである。ところが M=2M=2 ととると,上の評価によりすべての nn で Sn<2S_n<2 であり,これは矛盾である。したがって {Sn}\{S_n\}(=∑k=1∞1k2\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k^{2}} の部分和の列)は正の無限大には発散しない(実際には,単調増加かつ上に有界な数列は収束するという数列の極限の基本性質により,{Sn}\{S_n\} はある有限の値に収束する)。

∑k=1∞1k\sum_{k=1}^{\infty}\dfrac{1}{k} が正の無限大に発散すること。

(2) より,すべての n≧1n\geqq1 について
Tn>log⁡(n+1). T_n>\log(n+1).
対数関数 y=log⁡xy=\log x は x>0x>0 で単調増加であり,かつ上に有界でない(xx を大きくすればいくらでも大きな値をとる)。実際,任意の正の数 MM に対して,自然数 mm を m>Mlog⁡2m>\dfrac{M}{\log2} を満たすように選べば
log⁡(2m)=mlog⁡2>M \log\left(2^{m}\right)=m\log2>M
となる。n0=2m−1n_0=2^{m}-1 とおくと n0+1=2mn_0+1=2^{m} であり,log⁡\log の単調増加性から n≧n0n\geqq n_0 を満たすすべての nn について
log⁡(n+1)≧log⁡(n0+1)=mlog⁡2>M \log(n+1)\geqq\log(n_0+1)=m\log2>M
が成り立つ。ゆえに n≧n0n\geqq n_0 のとき
Tn>log⁡(n+1)>M. T_n>\log(n+1)>M.
これは,任意の正の数 MM に対してある番号 n0n_0 が存在し,n≧n0n\geqq n_0 ならば Tn>MT_n>M となることを示しており,これはまさに数列 {Tn}\{T_n\} が正の無限大に発散することの定義である。よって
∑k=1∞1k \sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k}
は正の無限大に発散する。■\blacksquare

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 指数・対数関数の微分
  • 導関数と増減
  • 指数関数のグラフ・増減
  • 対数関数のグラフ・増減
  • 対数とその性質
  • 階差・和の利用
  • 総和記号と数列の和
  • 数列の極限

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

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