藤田医科大学/2023年度/前期

3藤田医科大学 2023年 数学 第3問解答・解説

数と式図形と計量図形と方程式図形の性質数列

1問題

藤田医科大学2023年度第3問
xyxy平面上の点(p,q)(p,q)について、p,qp,qがともに整数のときこの点を格子点と呼ぶ。また ee を自然対数の底とするとき、p−ep-e または p+ep+e のどちらかと、q+12q+\frac{1}{2} がともに整数のとき、この点を ee 点と呼ぶことにする。例えば、(p,q)=(1−e,32)(p,q)=\left(1-e,\frac{3}{2}\right) は ee 点である。
次の問いに答えよ。ただし、素数の平方根と ee が無理数であり、2.7<e<2.82.7<e<2.8 であることは証明なしに用いてよい。

(1) 2つの格子点を結ぶ任意の線分は ee 点を通らないことを示せ。

(2) 4つの格子点を頂点とし、1辺の長さが1の任意の正方形の内部にある ee 点の個数を求めよ。

(3) 3つの格子点を頂点とし、1辺が xx 軸に平行、1辺が yy 軸に平行な任意の直角三角形の面積は、この三角形の内部にある ee 点の個数の 12\frac{1}{2} に等しいことを示せ。

(4) 3つの格子点を頂点とする任意の三角形の面積は、この三角形の内部にある ee 点の個数の 12\frac{1}{2} に等しいことを示せ。

(5) 3つの格子点を頂点とする正三角形は存在しないことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    線分上に e 点はない。\text{線分上に }e\text{ 点はない。}
  • (2)
    2個。2\text{個。}
  • (3)
    S=N2.S=\frac{N}{2}.
  • (4)
    S=N2.S=\frac{N}{2}.
  • (5)
    存在しない。\text{存在しない。}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

考え方

e点を二つの平行移動格子として数える。(1)で格子線分上にe点がないことを示し、(2)(3)は単位正方形と対称性で数える。(4)は座標係数によって面積の2倍が1の三角形を基本形として数え、格子点で分割する有限帰納法で一般化する。(5)は格子三角形の面積が半整数となることと正三角形の面積の無理性を比較する。

解答

格子点とは座標がともに整数の点である。また、ee点全体は
E+={(m+e,n−12):m,n は整数},E−={(m−e,n−12):m,n は整数} E_+=\left\{\left(m+e,n-\frac12\right):m,n\text{ は整数}\right\},\qquad E_-=\left\{\left(m-e,n-\frac12\right):m,n\text{ は整数}\right\}
の和集合である。eeは無理数なのでこの二つは交わらない。

(1) 格子点A=(x1,y1),B=(x2,y2)A=(x_1,y_1),B=(x_2,y_2)を結ぶ線分上にee点PPがあると仮定する。y1=y2y_1=y_2なら線分上のyy座標は整数であり、PPのyy座標が半整数であることに反する。そこでy1≠y2y_1\ne y_2とする。P=(1−t)A+tBP=(1-t)A+tBとおくと、PyP_yは半整数だから
t=Py−y1y2−y1は有理数. t=\frac{P_y-y_1}{y_2-y_1}\quad\text{は有理数}.
したがってPx=(1−t)x1+tx2P_x=(1-t)x_1+tx_2も有理数である。一方、PPがee点ならPx=m+eP_x=m+eまたはm−em-e(mm は整数)であり、eeの無理性からこれは無理数である。矛盾する。よって線分上にee点はない。

(2) 正方形の辺のベクトルは整数成分をもち、長さが1なので、各辺はxx軸またはyy軸に平行である。したがって正方形は、ある整数a,ba,bに対してa<x<a+1a<x<a+1 かつ b<y<b+1b<y<b+1 で表される内部をもつ。α=e−2\alpha=e-2とおくと0.7<α<0.80.7<\alpha<0.8であり、このxx区間にはE+E_+の点がx=a+αx=a+\alphaに1個、E−E_-の点がx=a+1−αx=a+1-\alphaに1個ある。それぞれの列から他のxx座標はこの区間に入らない。b<y<b+1b<y<b+1 を満たす半整数はb+12b+\frac12ただ1つである。よって内部のee点は合計2個である。

(3) 平行移動や軸の向きの反転により、三角形の頂点を(0,0),(u,0),(0,v)(0,0),(u,0),(0,v)(u,vu,vは正整数)としてよい。これを含む長方形はuvuv個の単位正方形に分かれる。(2)より各単位正方形の内部にee点が2個ある。分割線は格子点を結ぶ線分なので、(1)よりその上にee点はない。長方形全体の内部には従って2uv2uv個ある。長方形の中心に関する点対称移動はee点を再びee点へ移し、対角線の両側の二つの直角三角形を交換する。対角線上には(1)よりee点がないので、各三角形の内部にuvuv個ずつある。三角形の面積はuv/2uv/2だから、求める関係が成り立つ。

(4) 三角形を平行移動して頂点をO=(0,0),U=(r,s),V=(t,w)O=(0,0),U=(r,s),V=(t,w)(r,s,t,wr,s,t,w は整数)とおく。三角形は非退化とし、
δ=rw−st,Δ=∣δ∣>0 \delta=rw-st,\qquad \Delta=|\delta|>0
とおく。座標による三角形の面積公式から面積はΔ/2\Delta/2である。以下、内部のee点数がΔ\Delta個であることを示す。

まずΔ=1\Delta=1の場合を考える。平行四辺形Q={λU+μV:0≦λ,μ≦1}Q=\{\lambda U+\mu V:0\leqq\lambda,\mu\leqq1\}を見る。E+E_+の点P0=(x,y)P_0=(x,y)について、δ=±1\delta=\pm1なので
λ0=wx−tyδ,μ0=ry−sxδ \lambda_0=\frac{wx-ty}{\delta},\qquad \mu_0=\frac{ry-sx}{\delta}
はP0=λ0U+μ0VP_0=\lambda_0U+\mu_0Vを満たす。λ0,μ0\lambda_0,\mu_0 からそれぞれ整数部分を引いた値を λ,μ\lambda,\mu とすると、0≦λ<1, 0≦μ<10\leqq\lambda<1,\ 0\leqq\mu<1 である。このとき、P=P0−[λ0]U−[μ0]V=λU+μVP=P_0-[\lambda_0] U-[\mu_0] V=\lambda U+\mu VはなおE+E_+の点であり、QQ内にある。同じE+E_+の点がQQに二つあれば、その差は整数ベクトルである。δ=±1\delta=\pm1の上の座標式から、その差のU,VU,Vに関する係数も整数であるが、二点の係数の差はともに絶対値1未満だから0である。ゆえにQQにはE+E_+の点がちょうど1個ある。同じ議論でE−E_-の点もちょうど1個ある。QQの辺は格子点を結ぶ線分なので、(1)によりこれらの点は境界上になく、どちらも内部にある。

点XXをU+V−XU+V-Xに移すと、QQは保たれ、整数ベクトルU+VU+Vを引くことによりE+E_+とE−E_-が入れ替わる。この移動は対角線UVUVで分けられる二つの三角形OUVOUVとU,V,U+VU,V,U+Vを交換する。対角線UVUVには(1)よりee点がない。QQ内にある二つのee点はこの移動で互いに対応するので、三角形OUVOUVの内部にはちょうど1個ある。面積は1/21/2であり、主張は成り立つ。

次にΔ>1\Delta>1の場合を考える。格子点E1=(1,0),E2=(0,1)E_1=(1,0),E_2=(0,1)の両方がU,VU,Vの整数係数の和で表せると仮定し、整数a,b,c,da,b,c,dを用いて
(1,0)=aU+bV,(0,1)=cU+dV (1,0)=aU+bV,\qquad(0,1)=cU+dV
と書く。成分を掛けて引くと
1=(ar+bt)(cs+dw)−(as+bw)(cr+dt)=(ad−bc)(rw−st) 1=(ar+bt)(cs+dw)-(as+bw)(cr+dt)=(ad-bc)(rw-st)
となる。右辺は整数ad−bcad-bcとδ\deltaの積だから∣δ∣=1|\delta|=1となり、Δ>1\Delta>1に反する。よってE1,E2E_1,E_2の少なくとも一方をW0W_0とすると、W0W_0はU,VU,Vの整数係数の和ではない。

W0=α0U+β0VW_0=\alpha_0U+\beta_0Vと連立方程式を解くと、α0,β0\alpha_0,\beta_0は有理数である。整数部分を引いて
W=W0−[α0]U−[β0]V=αU+βV,0≦α,β<1 W=W_0-[\alpha_0] U-[\beta_0] V=\alpha U+\beta V,\qquad 0\leqq\alpha,\beta<1
とする。WWは格子点であり、W0W_0が整数係数の和でないためα,β\alpha,\betaは同時に0ではない。α+β≦1\alpha+\beta\leqq1ならWWは三角形OUVOUV内の頂点でない格子点である。α+β>1\alpha+\beta>1なら、格子点U+V−W=(1−α)U+(1−β)VU+V-W=(1-\alpha)U+(1-\beta)Vは係数が正でその和が1未満なので、三角形の内部にある。

このように、Δ>1\Delta>1の格子三角形には頂点でない格子点がある。その点が辺上なら辺で二つの格子三角形に、内部なら三つの格子三角形に分ける。各小三角形の面積の2倍を Δi\Delta_i とすると、これは正の整数であり、面積が正なのでΔi<Δ\Delta_i<\Deltaである。分割の辺はいずれも格子点間の線分であり、(1)によりee点を含まない。従って内部のee点数も面積も小三角形ごとに加算できる。正整数Δ\Deltaについて、これを小さくしていけば有限回でΔ=1\Delta=1の場合に至る。既に示した場合から、元の三角形の内部のee点数はΔ\Delta個、すなわち面積の2倍である。

(5) 格子三角形の頂点差を(a,b),(c,d)(a,b),(c,d)とすると、面積は∣ad−bc∣/2|ad-bc|/2であり、有理数である。仮に格子点を頂点とする正三角形があれば、その一辺のベクトルを(a,b)(a,b)とでき、辺の長さの2乗N=a2+b2N=a^2+b^2は正の整数である。その面積は
34N \frac{\sqrt3}{4}N
となる。3\sqrt3は無理数でN/4N/4は0でない有理数だから、この面積は無理数である。これは格子三角形の面積が有理数であることに反する。よってそのような正三角形は存在しない。

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 対偶・背理法による証明
  • 実数と無理数
  • 三角比による面積
  • 座標による距離
  • 直線の方程式
  • 三角形の性質
  • 数学的帰納法

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

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