愛媛大学/2025年度/前期

5愛媛大学 2025年 数学 第5問解答・解説

数学と人間の活動(整数)三角関数いろいろな式図形と方程式

1問題

愛媛大学2025年度第5問
以下の問いに答えよ。
(1) 整数 aa が3の倍数でないとき、a3+aa^3+a は3の倍数でないことを証明せよ。
(2) α,β,x,y\alpha,\beta,x,y を実数とする。
(i) 加法定理
sin⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β, \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta,
sin⁡(α−β)=sin⁡αcos⁡β−cos⁡αsin⁡β \sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta
を用いて
sin⁡x+sin⁡y=2sin⁡x+y2cos⁡x−y2 \sin x+\sin y=2\sin\dfrac{x+y}{2}\cos\dfrac{x-y}{2}
を証明せよ。
(ii) 0≦x<y≦π0\leqq x<y\leqq\pi のとき、sin⁡x+y2\sin\frac{x+y}{2} と sin⁡x+sin⁡y2\frac{\sin x+\sin y}{2} の大小を調べよ。
(3) a,ba,b を実数とし、
P(x)=x3+(a−4)x2+(3−b2)x+b2−a P(x)=x^3+(a-4)x^2+(3-b^2)x+b^2-a
とする。
(i) x=1x=1 は方程式 P(x)=0P(x)=0 の解であることを示せ。
(ii) 方程式 P(x)=0P(x)=0 が異なる2つの虚数解をもつための a,ba,b の満たすべき必要十分条件を求め、その条件の表す領域を abab 平面上に図示せよ。

まずは自分で解いてみましょう。解けたら「答え」、詰まったら「解答」で確かめられます。

タイマー

15:00

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    証明終了。
  • (2)(i)
    証明終了。
  • (2)(ii)
    0≦x<y≦π0\leqq x<y\leqq\pi のとき sin⁡x+y2>sin⁡x+sin⁡y2\sin\dfrac{x+y}{2}>\dfrac{\sin x+\sin y}{2}(等号は成立しない)。
  • (3)(i)
    証明終了。
  • (3)(ii)
    (a−5)2+4b2<16(a-5)^{2}+4b^{2}<16(楕円 (a−5)216+b24=1\dfrac{(a-5)^{2}}{16}+\dfrac{b^{2}}{4}=1 の内部)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

考え方

解答

(1)
aa を整数とし,aa が3の倍数でないとする。aa を3で割った余りは 0,1,20,1,2 のいずれかであるが,仮定よりこの余りは 11 または 22 である。

(a) aa を3で割った余りが1の場合,すなわちある整数 kk を用いて a=3k+1a=3k+1 と表せる場合。
a3=(3k+1)3=27k3+27k2+9k+1=3(9k3+9k2+3k)+1 a^{3}=(3k+1)^{3}=27k^{3}+27k^{2}+9k+1=3(9k^{3}+9k^{2}+3k)+1
であるから,a3a^{3} を3で割った余りも1である。よって
a3+a={3(9k3+9k2+3k)+1}+(3k+1)=3(9k3+9k2+3k+k)+2 a^{3}+a=\{3(9k^{3}+9k^{2}+3k)+1\}+(3k+1)=3(9k^{3}+9k^{2}+3k+k)+2
より,a3+aa^{3}+a を3で割った余りは2であり,a3+aa^{3}+a は3の倍数でない。

(b) aa を3で割った余りが2の場合,すなわちある整数 kk を用いて a=3k+2a=3k+2 と表せる場合。
a3=(3k+2)3=27k3+54k2+36k+8=3(9k3+18k2+12k+2)+2 a^{3}=(3k+2)^{3}=27k^{3}+54k^{2}+36k+8=3(9k^{3}+18k^{2}+12k+2)+2
であるから,a3a^{3} を3で割った余りも2である。よって
a3+a={3(9k3+18k2+12k+2)+2}+(3k+2)=3(9k3+18k2+12k+2+k)+4 a^{3}+a=\{3(9k^{3}+18k^{2}+12k+2)+2\}+(3k+2)=3(9k^{3}+18k^{2}+12k+2+k)+4
であり,4=3⋅1+14=3\cdot1+1 だから a3+aa^{3}+a を3で割った余りは1であり,a3+aa^{3}+a は3の倍数でない。

以上,(a)(b) いずれの場合も a3+aa^{3}+a は3の倍数でない。したがって,整数 aa が3の倍数でないとき,a3+aa^{3}+a は3の倍数でない。(証明終)

(2)(i)
α=x+y2\alpha=\dfrac{x+y}{2},β=x−y2\beta=\dfrac{x-y}{2} とおくと,α+β=x\alpha+\beta=x,α−β=y\alpha-\beta=y である。加法定理より
sin⁡(α+β)=sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β=sin⁡x,sin⁡(α−β)=sin⁡αcos⁡β−cos⁡αsin⁡β=sin⁡y \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta=\sin x,\qquad \sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta=\sin y
であるから,辺々を加えると
sin⁡x+sin⁡y=2sin⁡αcos⁡β=2sin⁡x+y2cos⁡x−y2 \sin x+\sin y=2\sin\alpha\cos\beta=2\sin\frac{x+y}{2}\cos\frac{x-y}{2}
が成り立つ。(証明終)

(2)(ii)
(i)の結果を2で割ると
sin⁡x+sin⁡y2=sin⁡x+y2cos⁡x−y2 \frac{\sin x+\sin y}{2}=\sin\frac{x+y}{2}\cos\frac{x-y}{2}
であるから,以下 S=sin⁡x+y2S=\sin\dfrac{x+y}{2} とおき,SS と Scos⁡x−y2S\cos\dfrac{x-y}{2} の大小を比較する。

0≦x<y≦π0\leqq x<y\leqq\pi のとき,x+y2\dfrac{x+y}{2} は xx と yy の間にあるから
0≦x<x+y2<y≦π 0\leqq x<\frac{x+y}{2}<y\leqq\pi
より 0<x+y2<π0<\dfrac{x+y}{2}<\pi である。0<θ<π0<\theta<\pi のとき sin⁡θ>0\sin\theta>0 であるから,S=sin⁡x+y2>0S=\sin\dfrac{x+y}{2}>0 である。

一方,y−x>0y-x>0 であり,かつ 0≦x0\leqq x,y≦πy\leqq\pi より y−x≦πy-x\leqq\pi(等号は x=0, y=πx=0,\ y=\pi のときに限る)であるから
0<y−x2≦π2 0<\frac{y-x}{2}\leqq\frac{\pi}{2}
である。余弦関数は偶関数だから cos⁡x−y2=cos⁡y−x2\cos\dfrac{x-y}{2}=\cos\dfrac{y-x}{2} であり,cos⁡θ\cos\theta は 0≦θ≦π20\leqq\theta\leqq\dfrac{\pi}{2} の範囲で減少し,かつ y−x2>0\dfrac{y-x}{2}>0 より真に cos⁡0=1\cos0=1 より小さいから
0≦cos⁡x−y2<1 0\leqq\cos\frac{x-y}{2}<1
が成り立つ(等号は x=0, y=πx=0,\ y=\pi のとき cos⁡π2=0\cos\frac{\pi}{2}=0 で成立し得るが,11 未満であることには変わりない)。

S>0S>0 と 0≦cos⁡x−y2<10\leqq\cos\dfrac{x-y}{2}<1 より
sin⁡x+sin⁡y2=Scos⁡x−y2<S⋅1=S=sin⁡x+y2 \frac{\sin x+\sin y}{2}=S\cos\frac{x-y}{2}<S\cdot1=S=\sin\frac{x+y}{2}
となる。すなわち,0≦x<y≦π0\leqq x<y\leqq\pi の範囲では常に
sin⁡x+y2>sin⁡x+sin⁡y2 \sin\frac{x+y}{2}>\frac{\sin x+\sin y}{2}
が成り立つ(等号となることはない)。

[検算] 例えば x=0, y=π2x=0,\ y=\dfrac{\pi}{2} とすると,左辺は sin⁡π4=22≒0.707\sin\dfrac{\pi}{4}=\dfrac{\sqrt2}{2}\fallingdotseq0.707,右辺は sin⁡0+sin⁡π22=0+12=0.5\dfrac{\sin0+\sin\frac{\pi}{2}}{2}=\dfrac{0+1}{2}=0.5 であり,0.707>0.50.707>0.5 で不等号の向きと一致する。また,これは y=sin⁡θy=\sin\theta のグラフが 0≦θ≦π0\leqq\theta\leqq\pi の範囲で上に凸であることによる中点の不等式(弦の中点における関数値が弦自身の中点の値より真に大きい)とも整合する。

(3)(i)
P(1)=13+(a−4)⋅12+(3−b2)⋅1+b2−a=1+(a−4)+(3−b2)+(b2−a) P(1)=1^{3}+(a-4)\cdot1^{2}+(3-b^{2})\cdot1+b^{2}-a =1+(a-4)+(3-b^{2})+(b^{2}-a)
であり,右辺の aa の項は a−a=0a-a=0,b2b^{2} の項は −b2+b2=0-b^{2}+b^{2}=0,定数項は 1−4+3=01-4+3=0 となるから,P(1)=0P(1)=0 である。よって x=1x=1 は方程式 P(x)=0P(x)=0 の解である。(証明終)

(3)(ii)
(i)より P(x)P(x) は x−1x-1 を因数にもつ。実際に
P(x)=(x−1)(x2+(a−3)x+(a−b2)) P(x)=(x-1)\bigl(x^{2}+(a-3)x+(a-b^{2})\bigr)
と因数分解できることを確かめる。右辺を展開すると
(x−1)(x2+(a−3)x+(a−b2))=x3+(a−3)x2+(a−b2)x−x2−(a−3)x−(a−b2) (x-1)\bigl(x^{2}+(a-3)x+(a-b^{2})\bigr) = x^{3}+(a-3)x^{2}+(a-b^{2})x-x^{2}-(a-3)x-(a-b^{2})
=x3+(a−4)x2+{(a−b2)−(a−3)}x−(a−b2)=x3+(a−4)x2+(3−b2)x+(b2−a) = x^{3}+(a-4)x^{2}+\bigl\{(a-b^{2})-(a-3)\bigr\}x-(a-b^{2}) = x^{3}+(a-4)x^{2}+(3-b^{2})x+(b^{2}-a)
となり,たしかに P(x)P(x) に一致する。

そこで Q(x)=x2+(a−3)x+(a−b2)Q(x)=x^{2}+(a-3)x+(a-b^{2}) とおくと,P(x)=0P(x)=0 の解は x=1x=1 と Q(x)=0Q(x)=0 の解全体である。

「P(x)=0P(x)=0 が異なる2つの虚数解をもつ」とは,3次方程式 P(x)=0P(x)=0 の解のうち,実数でない解がちょうど2個あり,かつその2個が互いに異なることを意味する。x=1x=1 は実数であるから,これは「Q(x)=0Q(x)=0 が異なる2つの虚数解をもつ」ことと同値である。実際,実係数2次方程式が虚数解をもてば,それは互いに共役な異なる2つの虚数解であり(判別式が負のとき,2解は互いに共役で一致しない),これらは虚数であるから、実数解 x=1x=1 とは一致しない。したがって,Q(x)=0Q(x)=0 が虚数解をもつこと自体が,求める条件と同値である。

Q(x)=0Q(x)=0 が虚数解をもつための条件は,QQ の判別式を DD として D<0D<0 である。
D=(a−3)2−4(a−b2)=a2−6a+9−4a+4b2=a2−10a+9+4b2 D=(a-3)^{2}-4(a-b^{2})=a^{2}-6a+9-4a+4b^{2}=a^{2}-10a+9+4b^{2}
ここで a2−10a+9=(a−5)2−25+9=(a−5)2−16a^{2}-10a+9=(a-5)^{2}-25+9=(a-5)^{2}-16 であるから
D=(a−5)2−16+4b2 D=(a-5)^{2}-16+4b^{2}
となる。D<0D<0 は
(a−5)2+4b2<16 (a-5)^{2}+4b^{2}<16
と同値である。したがって,方程式 P(x)=0P(x)=0 が異なる2つの虚数解をもつための,実数 a,ba,b が満たすべき必要十分条件は
(a−5)2+4b2<16(すなわち (a−5)216+b24<1) (a-5)^{2}+4b^{2}<16 \quad\left(\text{すなわち}\ \frac{(a-5)^{2}}{16}+\frac{b^{2}}{4}<1\right)
である。

[検算] a=5, b=0a=5,\ b=0 のとき D=(a−5)2+4b2−16=−16<0D=(a-5)^{2}+4b^{2}-16=-16<0 で条件を満たし,実際 Q(x)=x2+2x+5Q(x)=x^{2}+2x+5 の判別式は 4−20=−16<04-20=-16<0 で一致する(解は x=−1±2ix=-1\pm2i)。境界の a=9, b=0a=9,\ b=0 では (a−5)2+4b2=16(a-5)^{2}+4b^{2}=16 で D=0D=0 となり,実際 Q(x)=x2+6x+9=(x+3)2Q(x)=x^{2}+6x+9=(x+3)^{2} は重解 x=−3x=-3(実数)をもち,境界を除くことと整合する。もう一方の境界 a=1, b=0a=1,\ b=0 でも (a−5)2+4b2=16(a-5)^{2}+4b^{2}=16 で D=0D=0 となるが,このとき Q(x)=x2−2x+1=(x−1)2Q(x)=x^{2}-2x+1=(x-1)^{2} で重解は x=1x=1 となり,これはもともとの実数解 x=1x=1 と重なる退化した場合であって,「異なる2つの虚数解」には該当しない。これも境界(等号)を除外することと整合する。

図示すると,求める領域は abab 平面上で,中心 (5,0)(5,0),aa 軸方向の半径 44(aa 軸との交点は a=1,9a=1,9),bb 軸方向の半径 22(bb 軸との交点は b=±2b=\pm2)をもつ楕円
(a−5)216+b24=1 \frac{(a-5)^{2}}{16}+\frac{b^{2}}{4}=1
の内部(この楕円の周上は含まない)である。

読み終えたら解答を閉じて、もう一度自分の手で解いてみましょう。

この問題で使う考え方

  • 約数・倍数
  • 三角関数の加法定理
  • 三角関数の周期・グラフ
  • 剰余・因数定理
  • 高次方程式
  • 二次方程式の判別式
  • 複素数の四則演算
  • 不等式の表す領域

答えと解答は AI で作成したものです。誤りに気づいたらお問い合わせから教えてください。

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