「医学部に行かせるには、親の年収がいくらあればいいの?」
ネットには「年収2,000万円は必要」といった声もあって、どこまで本当か分かりにくいですよね。
結論から言うと、私立医学部(6年間の学費の平均 約3,214万円)にひとり暮らしで通うと、1年あたり約680万円が出ていきます(学費÷6年+生活費 月12万円の例)。
世帯年収1,000万円なら、額面の約7割です。国立なら1年約202万円で、ぐっと下がります。
「年収いくら必要か」の答えは、年収ではなく「貯金と借入と減免で、どれだけ埋められるか」で決まります。
わが家の場合いくら足りないかを、FPに無料で計算してもらう方法もあります。
この記事でわかること
- 国立・私立で、1年にいくら出ていくか
- 年収別に、学費と生活費が年収の何割になるか
- 年収で使える制度・使えない制度
- 年収が足りないときの埋め方
目次6項目・タップで開く
01医学部には、1年でいくら出ていく?
6年間の学費を6で割り、生活費を足して、1年あたりにしました。
| 進学先 | 6年間の学納金 | 1年あたりの学費 | 生活費(月12万円の例) | 1年の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 国立(標準額) | 349万6,800円 | 約58万円 | 144万円 | 約202万円 |
| 私立で最も安い大学 | 1,830万円 | 約305万円 | 144万円 | 約449万円 |
| 私立27校の平均 | 約3,214万円 | 約536万円 | 144万円 | 約680万円 |
| 私立で最も高い大学 | 4,743万円 | 約791万円 | 144万円 | 約935万円 |
※学費は2027年度の各大学の公式資料から(6年間の学費の記事)。生活費は生活費の記事の家計の例で、全国の平均ではありません。自宅から通えば、生活費の多くは減ります。
注意
私立は1年目に入学金が加わるので、1年目だけ大きくなります。6で割った額より多く用意しておきましょう。
02年収別に見ると、何割になる?
私立平均(1年 約680万円)を、世帯年収(額面)と並べました。
| 世帯年収(額面) | 私立平均の1年 約680万円が占める割合 |
|---|---|
| 800万円 | 約85% |
| 1,000万円 | 約68% |
| 1,500万円 | 約45% |
| 2,000万円 | 約34% |
| 3,000万円 | 約23% |
税金と社会保険料を引いた手取りで見ると、割合はもっと高くなります。
年収だけで払い切るのは、年収2,000万円の家庭でも重い。だから多くの家庭は、貯金・借入・減免を組み合わせて払っています。
03年収によって、使える制度は変わる?
| 制度 | 年収の条件 | 医学部で使えるか |
|---|---|---|
| 高等教育の修学支援新制度(給付奨学金+授業料減免) | 世帯年収 約380万円まで(4人家族の目安) | 使える |
| 多子世帯の授業料・入学金の減免 | 所得制限なし(子どもを3人以上扶養) | 使える。私立は授業料 年70万円まで |
| 国の教育ローン | 子ども1人なら世帯年収790万円まで(下宿などの条件で990万円まで) | 使える。医学部は450万円まで |
| JASSO第二種奨学金 | 家計の基準あり | 使える。私立医学部は月16万円まで |
| 大学の特待生(成績で選ぶもの) | 大学ごと | 特待生・奨学金の一覧で確かめる |
| 地域枠・修学資金 | 卒業後の勤務の条件つき | 地域枠の一覧で確かめる |
年収が高い家庭ほど、国の制度は使いにくくなります。そのかわり、成績で決まる特待や、卒業後の勤務と引き換えの修学資金は、年収に関係なく狙えるものがあります。
くわしくは多子世帯の記事と教育ローンの記事にまとめています。
04年収が足りないときは、どう埋める?
1年に出ていく額から、使える制度を引いて、残りを家計で埋めます。順番はこうです。
- 減らす:多子世帯の減免・特待・地域枠で、学費そのものを下げる
- もらう:大学や自治体の給付の奨学金を探す
- 借りる:国の教育ローン → JASSO → 銀行の教育ローンの順
- 貯める:入学までの年数で、毎月いくら積み立てれば足りるかを出す
4つを組み合わせた表を作ると、「私立は無理」なのか「この大学までなら行ける」なのかが、はっきりします。
この表づくりは、FPのキャッシュフロー表の得意分野です。何度でも無料で相談でき、オンラインでも受けられます(マネードクター公式、2026年10月28日時点)。
※無料のFP相談は、保険などを販売した手数料で成り立つのが一般的です。保険の見直しが要らないなら、予約のときに「教育費の資金計画だけ相談したい」と伝えると話が早く進みます。
05年収を気にしすぎなくていい家庭は?
- 国公立が第一志望の家庭。1年 約202万円(ひとり暮らしの例)で、国の教育ローンと奨学金の範囲に収まります
- 子どもを3人以上扶養している家庭。年収に関係なく減免があります
- すでに6年分の学費を貯金で用意できている家庭
反対に、私立が第一志望で、入学前の手続金を複数の大学に払う可能性がある家庭は、受験の前に資金の計画を立てておきましょう。
まとめ年収より「1年いくら足りないか」を出そう!
医学部に必要なのは、高い年収そのものではありません。
志望校の1年の費用から、減免・奨学金・借入を引いて、家計から出す額を1つの数字にしてください。
その数字が月いくらになるかで、私立に進めるかが決まります。
志望校ごとの総額は6年間の総額の計算で、家賃・生活費まで入れて出せます。